アフリカ大陸最高峰キリマンジャロ登頂(マチャメルート編)



明けましておめでとうございます!年末年始はアフリカ大陸最高峰キリマンジャロへ登りに行ってきました!

キリマンジャロの山頂を目指すにはいくつかのルートがありますが、代表的なものはマラングルートとマチャメルートの 2 本にな ります。
マラングルート … 別名コカ・コーラ・ルートと言われ、1 番人気です。長さは 64km、通常は 5泊6日で全行程山小屋泊となります。
マチャメルート … 別名ウィスキー・ルートと言われ、長さは 49km。通常は 6泊7日で全行程テント泊となります。復路(帰 路)はムウェカルートを利用します。

一般的な話ですが、マラングルートはキリマンジャロで唯一小屋泊で登頂できるルートで一番登山者数の多いルートになります。しかし、小屋泊で快適に過ごせ日数は短いですがしっかりと高度順応が出来ず、アタック時に高山病になりやすいというデメリットがあります。 その点、マチャメルートはテント泊ではありますが6泊7日を要するため、しっかりと高度順応が出来て登頂率が高いです。また、景色が良いと言われているのもマチャメルートだと言われています。


キリマンジャロという山ですが…
タンザニア北東部にある山で、標高 5,895m。アフリカ大陸の最高峰。山域がキリマンジャロ国立公園に指定されています。山脈に属さない独立峰では世界で最も高い。キリマンジャロは、赤道から南に約 340km の南緯 3 度、アフリカ大地溝帯の東リフト・バレーに位置します。東西約 50km、南北30km の山体をもつ大型の成層火山。西から東へ並ぶ、シラ峰(Shira、3,962m)、キボ峰(Kibo、5,895m) 、マウエンジ峰(Mawenzi、5,149m)の 3 つの主な成層火山から成り、山体中央にあるキボ峰が最高峰です。キボ峰の山頂は、直径 2.5km のカルデラと、その内側の直径 900m 火口と、中心の直径 200m の Ash pit と呼ばれる小火口で構成されています。最高地点はこのキボ峰の直径 900m 火口の南縁にあり、スワヒリ語で「自由」を意味するウフル (Uhuru)と呼ばれています。これは 1961年のタンザニア独立を記念して命名されたものです。キリマンジャロの「キリマ(kilima)」はスワヒリ語で「山」,「ンジャロ(njaro)」はチャガ語で「白さ」であり、全体として「白く輝 く山」を意味するというのが通説だが、実は正確な語源ははっきりしていません。3 つの峰の名前もチャガ語に由来するといわれてい ますが、こちらも語源についても諸説挙げられています。マサイ人はこの山をンガジェンガ(神の家)と呼んでいるそうです。

以下、キリマンジャロの登頂紀をまとめました(長いです。。笑)

☆1日目   成田→仁川→   
アフリカ大陸最高峰キリマンジャロ登頂を目指すメンバー10名とエチオピア航空にて仁川を経由して、エチオピアの首都アディスアベベへ向いました。仁川ではアディスアベベ行きの航空機にも関わらず一度降機してセキュリティーを通過しなければならなく意外と慌ただしい乗換え1時間でした。

☆2日目  アディスアベベ→キリマンジャロ空港→モシ


少々遅れてエチオピアの首都アジスアベベに到着しました。ここでキリマンジャロ行きへ乗換えます。セキュリティーで手荷物検査を済ませ、ゲートに行くと搭乗時間直前にゲート変更になり再度移動???? 
 2時間半のフライトで無事にキリマンジャロ空港へ到着しました。

@キリマンジャロ空港

@イミグレーション

1時間ほど走ってモシの街に入りました。宿へ行く前にスーパーへ買い物に立ち寄ってからホテルへチェックイン。中庭にはプールもあるお洒落なホテルでした。


街はクリスマスモード、地元の人は買出し。

☆3日目  モシ→マチャメ・ゲート→マチャメ・キャンプ
いよいよアフリカ大陸最高峰キリマンジャロ登山がスタートです。ホテルから朝陽を浴びて輝いているキリマンジャロが大きく見えました。パッキングした荷物を仕分けて、朝食を食べてレセプションへ行くと、現地のボス・エリーとメインガイドのネルソンが“メリークリスマス♪”と迎えてくれました。山の事で頭がいっぱいいっぱいでしたが、今日はクリスマスでしたね!平日ですが、今日はお店等もお休み。人気の少ない街を快調に出発してマチャメゲートを目指します。


@kilimanjaro5895m

登山口に到着すると、そこには今回私達をサポートするポーターやコック、そしてガイドさん達が既にたくさん集まっていました。キリマンジャロではどの登山口から登るにしてもまずは特徴的な三角形のゲートが待ち受けてくれています。登山口で入山届&荷物の計量等の手続きをします。


@マチャメゲート






@いよいよ出発です!


@林道歩き♪


ツリフネソウ科 Impatiens Kilimanjaro

初めのジャングルの樹林帯を1時間ほどは林道を歩き、気がつけば登山道となっていました。ちょうどお昼頃に道中で、お弁当を食べました。キリマンジャロ登山のお弁当は「サンドイッチ、マフィン、キュウリ、フライドチキン、ヨーグルト、ジュース」と定番メニューですが、これが糖質やたんぱく質、水分等登山で必要なエネルギー源がバランスの良く考えられたランチなんです。


お弁当~

樹林帯では、トロコンブのような”サルオガセ“がたくさん木からぶら下がっていました。また、足元にはキリマンジャロの固有種でもある“Impatients Kilimanjaro”という赤色の花や“Impatients pseudoviola”というピンク色の可愛いお花がたくさん見られました。


ジャングル~????

初日はマチャメ・ゲート1,828mから10.6km歩き3,032mまで登りましたが、まだまだ標高が低い?せいかそれほど寒さを感じなく快適でした。夕食はダイニングテントにてパンプキンスープから始まり、フライドチキン、ジャガイモ、サラダ、ご飯&具沢山ソースにデザートでフルーツを頂きました。


マチャメキャンプ


本日のディナー

☆4日目    マチャメ・キャンプ→シラキャンプ
登山2日目はマチャメ・キャンプ3,032mからシラキャンプ3,847mまで行きます。この日からは富士山よりも高い標高で宿泊することになります。 海外登山が初めてだとこの日から未知の世界へ突入です!?気持ち良い青空の中、樹林帯の急な尾根を登っていきます。次第に、後方にはタンザニア第 2 の高峰メルー山、そして左側にはシラ峰が見えました。


walk on the ridge


old mans,, Prosper


Mt.meru4562m

メルー山(標高 4,562m)は、キリマンジャロから西におよそ 50km の位置にそびえるタンザニア第2の高峰メルー。アフリカ大陸では 5 番目の標高の高さを誇ります。その昔、噴火の大爆発により頂上部と東側のクレーターの縁が吹き飛ばされ、現在の三日月型のような外形になったと言われています。爆発の前はキリマンジャロよりも高かったとさえ言われます。クレーター中 央にはアッシュコーンと呼ばれるメルーの火口があり(外観は富士山のようです)、このアッシュコーンを囲むような形で現在のメルー山は聳え立ちます。

「龍の背」と言われる尾根に出るまではそこそこ急登が続きました。登りきるとなだらかな道になり、少しずつ標高を上げて気が付けば富士山の標高 3,776m 地点を越えてました。切り立った岩場のトラバースを登り平坦なところを進むとキャンプサイトが見えてきました。


kniphofia thomsonii


Gladiolus watsonioides


Newトイレ


シラキャンプ

今日は歩いた距離が4.8km と短かったですが、登り始めからの急登の連続と、標高が富士山を越えたこともあり息苦しさもあり意外ときつく感じました。 キャンプ到着後に高度順応のために「シラ・ケイブ」という洞窟へ散歩に行きました。シラ・ケイブは 1999 年まで実際に宿泊場所として使われていた場所でした。現在は宿泊禁止となっています。シラ・ケイブを見学したあと更に足を延ばし、岩の上にケルンがたくさんある展望台まで登りました。残念ながら、一面ガスに包まれておりましたがレモショルートを展望することができました。

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シラ・ケーブ          

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今晩は日本式カレー


タンザニア式♪歓迎のダンス


☆5日目     シラキャンプ→バランコキャンプ
登山3日目。本日はゆったりとした登りをポレポレと標高 4,643m のラバ・タワーまで登り、ジャイアンセネシオが群生する標高3,960mのバランコキャンプ3,960mまで下ります。この行程は4,600mの低酸素の負荷を入れたあと酸素濃度の高いところで身体を回復させられる為、高度順応に最適な1日です。


キボ峰に向かってなだらかな丘を登る

朝日に輝くキボ峰を真正面に見据えながら一歩一歩登っていきます。 ダラダラと開けた台地を登っていき徐々に道がなだらかになったところで左方向(レモショ・ルート)からの道との合流点がありました。合流点から少し登るとまた分岐がありました。ラバタワー・ルートとポーターズ・ルート(ポーター専用の道)との分岐点でした。ポーターさんはラバ・タワーまで行かずに巻き道でバランコ・キャンプまで行きます。

ラバ・タワー手前の場所でこの日のランチタイムでした。シェフのアレンが、ジンジャーティーを担いで振舞ってくれました。風が冷たかったですが、ホットドリンクのお陰で身体がポカポカになり美味しかったです♪



下界だったら大したことのない坂をポレポレで歩き続けようやくこの日の最高点(4,642m)であるラヴァ・タワーに到着しました。キボ峰はガスに包まれ展望はいまいちでしたが、高度順応には効果ある登山でした。




Lava Tower

下り始めは、浮石の多い急な下りで気をつけながら慎重に下って頂きました。その後アップダウンをしながら下っていくと、アフリカ特有のジャイアント・セネシオの群生地がありましたね。ジャイアント・セネシオの群生地を下って行くとバランコキャンプが見えてきました。この日は 9.7km を歩きました。


Giant senecios

ジャイアント・セネシオ。アフリカ大陸の赤道地域にあるキリマンジャロやケニア山等の 4,000mを超えるアフリカの高山の標高 4,000m 前後の場所には、 奇妙な姿の植物ジャイアント・セネシオが生息しています。標高 4,000m 付近では、他の植物は 20~40cm ほどの高さにしか成長していませんが、ジャイアント・セネシオは 2~5mほど もあり、その異様な姿が目を引きます。キリマンジャロに生息するジャイアント・セネシオは、他の高山に生息するものより平均的に 大きく、特に大きな個体では 8m にもなります。 ジャイアント・セネシオはキク科キオン属で、幹の中心部は空洞になっています。この空洞部分の空気が日中に温められて、日没 後の急激な気温の低下に備えていると考えられています。生態は標高4,000m ということもあり詳しくは分かっていません。


バランコキャンプ

夕食は、疲労も考慮して軽めに具沢山スープとバナナフリットにマンゴーでした。具沢山スープには、食用のバナナが入っておりお芋のような食感でした。


☆6日目      バランコキャンプ→カランガキャンプ

バランコウォール


ロベリア

登山4日目は、キャンプ地の目の前に聳り立つ絶壁バランコ・ウォールを正面から直登して壁トップの4,200mまで上がりカランガキャンプまでアップダウンしながらトラバースします。キャンプ地から壁をみる限りはとても登れそうには見えませんが、岩壁の中に若干白くなってジグザグ上がって行く踏み跡らしきものと既に登り始めている人影を確認することができました。


大混雑!?

出発時からストックはしまってスタート。狭い道、後ろから次から次に来るポーターさん達に道を譲りながら登るので時間がかかりました。それにしてもあんな重い荷物を頭に乗っけて手足を使いながら急な岩壁を登るなんてとっても真似できそうにもありません。


気持ちいい青空!

バランコ・ウォールを登り切ると、そこから先は下り気味のトラバース道になりました。

バランコウォールトップ!

なだならか道に登り返したところで休憩タイム。よ~く見るとガスの中から本日の宿泊地であるカランガ・ハットが見えてきました。そのキャンプサイトは近そうに見えましたが、一旦深い谷に下って登り返さなければなりませんした。谷に下りた場所に流れていた川がこのマチャメ・ルート上にある最終水場になります。ポーターさん達はここから翌日のバラフ・キ ャンプまでも水を担ぎ上げてくれるんです。ホント、ホントに感謝ですね♪ カランガの谷からの登り返しがシンドイ。。キャンプ地に到着後、少々遅めのランチ頂き、午後はサミットアタックの準備をしてゆっくりして頂きました。


キボ峰が出てきた!


カランガキャンプ⛺️


夕陽@キボ峰


☆7日目      カランガキャンプ→バラフキャンプ
登山 5日目、この日は標高約4,600m のバラフキャンプを目指します。いよいよ今晩の未明にはしっかり時間をかけた高度順応をベースにサミットアタックです。気分は高まる一方ですが、相反して身体は重く感じる。ガイドが特別ペースを上げていることはないのですが、酸素が薄い事により疲労が抜けづらくポレポレ(ゆっくり)で歩いていても息苦しく感じたり精神的には「ちょっとペースが上がったんじゃないの?」なんて感じてしまう域にまで入ってきました。


バラフに向かってスタート!


高所をモノともせずに上げするポーターさん達

少し登って振り返ると、眼下には先ほどまでいたカランガ・キャンプ、そして麓にはモシの街が見えました。 登りが一旦落ち着いた場所は見渡す限りケルンだらけ。 ケルンは、ホワイトアウトなどになった時の登山者に対する目印になります。今回の行程で 2 度目の 4,600m となります。

ダラダラ登りが終わるとその先の尾根にこの日宿泊するバラフ・キャンプが見える所まで来ました。バラフ・キャンプ直下の場所でいつもより少々早めのランチタイムとさせて頂きました。最後一登りしてお昼過ぎには到着はしました。着後、ゆっくり整理体操をしてティータイムをしてのんびりと高度順化を心掛けました。


バラフキャンプ

16時頃にはいつもより早くディナータイム。何故かというと、サミットアタックの為22時起床に合わせてタイムスケジュールを調整するためです。

いよいよ今晩はキリマンジャロの山頂への挑戦です。20時から雪が降り始め気になって寝れない???? 起床後各自朝食、23時は出発というサミットアタックスケジュールでした。


サミットアタック

☆8日目   バラフキャンプ→サミットアタック→ミレニアムキャンプ

ヘッドランプの明かりを頼りに、一歩一歩ポレポレとスタートです。道中は時々休憩を挟みながらジグザグと標高を稼いで行きました。標高5,000mを越えた頃マウェンジ峰が爆発した様に背後が赤くなり月が上がってきました。スタート時は生温く感じた気温も標高と共に冷え込んできました。標高 5,300m を越えたころになると、徐々に風が強くなってきました。身体は着込めばなんとかなります。しかしマイナス10度前後でしかも風を浴びると手先、足先が寒いというよりは痛いという感覚になってきます。というのも日本のマイナス10度違って酸素が薄く中々身体が暖まりにくく末端まで血流が届かないからです。暖める為にペースを上げると息苦しくなるので、マイナス20度くらいの装備が必要です。

そしてこのキリマンジャロ登山で忘れてはならないのは、ガイド、コック、ポーターなどのサポーターの皆さんの力。ただでさえ登るだけでもキツイのに、登りの最中励ましたり歌ってくれました。「寝ちゃダメだよ!」「がんばって!」「ポレポレ!」とずっとずっと声を掛け続けてくれましたね。あのタンザニア人のサポーターの力は心からありがたいですし、あの声掛けがあったからこそ皆さんは心が折れずにいつも以上の力が発揮できたのだと思います。


ステラポイント


少しずつ明るくなってきた!

ステラポイントから最高点のウフルピークの間では左手に氷河を見ることが出来きました(写真中央) 早ければ 2022年、遅くても 2033 年には消滅してしまうと言われているキリマンジャロ山頂にある氷河です。これが見たくてこのキリマンジャロに来る人もいたのではないでしょうか。


お鉢をウフルへ


日の出@マウェンジ峰


氷河



真夜中の極寒の中、眠気、低酸素、急坂に苦しみながらも、ガイド、ポーター、同志のメンバーたちの明るいかけ声に励まされ、苦しみを一瞬でも紛らわすことができ、無事登頂の大きな原動力となりました。“全員ウフルピーク登頂おめでとうございます!!”


ウフルピーク!

登頂したからと言ってここで終わりではありません。約 6,000m の地点で長く留まることもお勧めできません。最低限の記念写真を撮り終えたらすぐに下山をします。


ガスが上がってきて、幻想的に


マウェンジ峰

この日は登頂以上に下山も大変というのも過言ではないのです。氷河を横目に見ながら下っていきます。下りも決して楽ではありませんね。キリマンジャロがきついのは決して登りだけではないということがわかりますね。


バラフキャンプ

休憩後にランチにして、その後さらに下のミレニアムキャンプに下っていきます。いつもと同様?午後になると積乱雲が成長して気がつけばガスの中。


一輪車

途中では、レスキュー用の担架がたくさん置いてある場所がありました。メンバーの中には担いで下ろされている登山者、両脇を抱えられて下りてきている登山者などを見かけました。


ミレニアムキャンプ



☆9日目   ミレニアムキャンプ→ムゥエカゲート→モシ





いつもより1時間ほど早くに出発。なんだかんだ言ってもここはまだ富士山山頂よりも高い標高で下山までにかなり標高差があります。ムウェカ・キャンプまではちょっとガレ場で歩きずらく、しかも道が細い。


下山~
途中で振り返ると、樹林帯の先には森林限界の穏やかなキボ峰。正面右にはメルー山も見えました。あと、プロテアのお花はシーズンではなかったためほぼ枯れていましたが、一輪だけ咲いているのを見つけました(写真右)。


正面にメルー山


プロテア


ムウェカキャンプ




下山できました〜♪



登頂証明書の授与式の後は、最後の最後までサポーターのみんなが歌とダンスで盛り上げてくれました。ガイド、コック、ポーターのみんな、本当に本当にありがとうございました!
 
ムウェカ・ゲートでみんなとお別れをして皆さんはバスに乗り込みモシへと戻りました。モシへの道中にお土産屋&スーパーで買い物タイムを取ってバッチリ”キリマンジャロコーヒー^をゲットしました。

下界は大晦日、街中はお酒を飲んで盛り上がっていました。深夜、日付けが変わったと共に花火が上がり新年を迎えたことを知らされました。



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