丹沢主稜縦走(塔ノ岳~丹沢山~蛭ヶ岳~檜洞丸)


天国は何処にあるのだろうか。

梅雨の晴れ間2日間を狙って丹沢主稜を縦走する計画を立てた。主稜は丹沢の最高峰・蛭ヶ岳1673mから西側の檜洞丸へ続く稜線で、今回は大倉から入山し塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳・檜洞丸と縦走して西丹沢自然教室へ下山の予定だ。梅雨の合間を狙ったのは7月~9月は、標高があまり高くないため暑く太平洋に近いため雷のリスクも高いためだ。


大倉のバス停前

7:55 大倉登山口出発。小田急電鉄で最も標高の高い駅・渋沢駅163mで下車すると、大倉へ向かうバスがたくさん出ているので丹沢の中では比較的アクセスしやすい登山口だ。トイレと売店があり下山後はここでビールを一杯飲みながら打ち上げをするのも良いだろう。


ヒル多発らしい。。汗

登山届けのポストの横に大きなこのバケツが気になってしょうがない。汗 丹沢はヒルが出る事で有名で近年シカが増えている影響でヒルの生息範囲も増えているとのこと。特に春~秋シーズンの雨の日は注意が必要だ。

←ヒル対策にはこれが有効だ。その名も”ヒル下がりののジョニー”笑 ちょっと高価だがシュッとやると一発で退散する威力。これをあらかじめ靴やスパッツに吹き替えておく。あと、木の上で待機して人が通ったときを狙って降ってくることもある。彼らは即座に噛み付いて血を吸う訳ではなく、先ず襟元や靴下の中など目の着かないところに潜り込む習性があるのでそういった襟元や靴下と足首の境目あたりを入念にスプレーしておくと良い。これはかなり効果があるのでオススメだ。


スギの植林地帯

初めは樹林帯の中を登って行く。木の背丈も高く直射日光も遮ってくれるので、涼しく登る事ができ助かる。大倉尾根は”バカ尾根”とも呼ばれ塔ノ岳へ一直線に登山道がつけられており、登りが急で有名だ。


コアジサイ

お庭で見かけるアジサイは西洋アジサイと呼ばれ、日本のガクアジサイがヨーロッパで品種改良され逆輸入されたものである。アジサイは日本の固有種なので、コアジサイやヤマアジサイ、エゾアジサイ、ノリウツギなど多数自生している。


シモツケ

シモツケソウとシモツケが見分けが難しいがシモツケソウの葉っぱは掌状(手の平のこと)に広がったギザギザの羽状複葉になります。


ヤマボウシ満開!


ヤマボウシ拡大です。

ヤマボウシの名前の由来はこの4枚の白い花びらを、頭巾をかぶった法師に見立てて名付けられました。夏の終わりから秋にかけて赤く熟す果実は黄桃のような色をしていて甘みがありそのまま食べたり、果実酒にもできます。


金冷シ

鍋焼きうどんで有名な鍋割山からの稜線と合流して塔ノ岳まであともう少しです。


塔ノ岳山頂~!

12:20/13:00 一つ目のピーク登頂!山頂ではランチを広げている人が多く平日にも関わらず多くの登山者がいました。関東大震災の余震でなくなってしまいましたが、かつて山頂には尊仏岩がありお塔と呼ばれ信仰されていたそうです。塔ノ岳の山名はその塔に由来し、山頂に建つ山小屋「尊仏山荘」の名もこの岩に由来しています。時間に余裕があったので「尊仏山荘」にてコーヒーを一杯注文してみたら、ここのご主人が淹れるコーヒーが絶妙にうまい!!


振返ると何だかこの世界ではないみたい。

なんか遠くを見てこの場の空気の流れに身を任せたいような場所です。


バイケイソウ

丹沢山へ向けて程よいアップダウンを楽しむ。稜線は広く水が溜まりやすいのか湿地を好むバイケソウが見られました。この大きなお化けみたいな葉を持つ植物、アルカロイドという毒がありシカが食べないので増加してます。葉っぱだけ大きくて不気味ですが、お花が付くと可愛らしいですね。


木道を歩き


ヤマオダマキ(Aquilegia)

面白い形をした花・山苧環(ヤマオダマキ)。オダマキとは昔、麻糸を巻いた管のことで、距の立った花の形がこれに似ているところから名付けられたそうです。ヤマオダマキの距はほとんど曲がらなくて内側に強く巻き込むものをオオヤマオダマキというのだけどこれは少し巻き込んでますね、オオヤマオダマキと呼んだ方がよさそうです。

オダマキは他の花と比べちょっと変わった形をしています。これは特定の虫だけしか蜜を吸うことができないように進化した結果で、オダマキの花弁の後部は袋状に細長く突き出して、先端は内側にくるりと曲がっています。この部分を距(きょ)というのですが、オダマキはここに蜜を貯めています。このような花を訪れる昆虫は、この距の先まで届くような長い舌や口吻を持っていないと密に辿り付く事ができないのです。

オダマキさんを口説くのはなかなか難しいようです。笑


みやま山荘到着!

14:20 みやま山荘到着!本日の行動はここまで。ガスが出て当たりは真っ白だったので景色は明日のお預け。ルービーを片手にのんびりと山の余韻に浸る。


夕食!

平日の宿泊客は4人のみ。小屋番さんも一人のみでこの時期は週代わりで回しているそうだ。濃いめのみそ汁が疲れた身体に染み渡りうまかった。


寝室

2004年の11月に立て替えられたそうで中も綺麗!


朝カフェ!

普段はあまり持ち歩かないが、今回は気合いを入れてコーヒーミルを持ってきました。ゴリゴリっとコーヒー豆を粉にしていく感触を確かめながら香りを堪能する時間。ああ~幸せ!


丹沢山山頂!

出発前にもう一度丹沢山の山頂へ。お気に入りのザック・クレッタルムーセンのアルスビンAlpine Pack40Lと一緒に一枚。背負い心地が最高に良く、出入り口がロールトップになっており完全防水仕様です。
KLATTERMUSEN (クレッタルムーセン)『ARVAKER 40』(Burnt Russet)



富士山が美しい~

今年の富士山は雪解けが早いそうです。例年、富士山の開山日に合わせて雪かきをするそうですが今年は必要ないと富士山の小屋の方に聞きました。


清々しい朝だあ~

6:20 みやま山荘出発です。今日は蛭ヶ岳から檜洞丸の縦走です。


蛭ヶ岳を目指す


蛭ヶ岳山頂!

8:15/8:45 蛭ヶ岳登頂です。塔ノ岳や丹沢山はガスで見えなくなってしまいましたが、ここだけはまだガスにかかる前で富士山も眺めることができました!


檜洞丸を遠望してみる

蛭ヶ岳を出ると一気に踏み跡が乏しくなりいよいよ山深くなった印象だ。檜洞丸へは直線距離は遠くはなさそうだがかなりのアップダウンがあり充実した歩きが楽しめそうだ。


下部の沢まで一気に見える高度感。

急な斜面にゴロゴロした石ころ足場を悪くしているので慎重に下る。足下を滑らせれば、下まで一直線間違いないである。


ツバキのお花かしら。


ジグザグな木道。汗


バイケソウの森。。

いくつもののアップダウンを越え、いよいよ檜洞丸山頂手前、バイケソウが一面を覆う。


青ヶ岳山荘

平日は営業していませんでした。宿泊の場合は電話して営業しているかどうか良く確認したほうが良い。


やったー!檜洞丸到着!

12:30 /13:30 檜洞丸、登頂!!長かったがついに檜洞丸登頂!!疲れたのでゆったりランチを食べて再び至福のコーヒータイム♪


ゴーラ沢出合

16:00 ツツジ新道を一気に下ってゴーラ沢。道迷いのポイントだが、看板をしっかり確認すれば問題ない。ただ、増水時は注意が必要だ。


渡渉しますよ~(*^^*)

堰堤の手前を徒渉。ローカットの登山靴でも石伝いに問題なく渡れた。


最後は樹林帯を抜け。。

最後まで気が抜けない。所々、道が崩れたり腐りかけた木道の橋があったり、、


西丹沢自然教室

16:45 西丹沢自然教室到着!!いや~、長かったが怪我もなく無事に着いた。
ここにはトイレもあり、自販機もある。ビールが欲しい人は50m手前のキャンプ場で購入できる。

17:05のバスに乗って新松田駅へ。富士急湘南バスは本数が少ないので事前に時刻表をよく確認して利用したほうが良さそうだ。

お疲れさまでした。

行動時間:1日目:6時間 2日目: 11時間
標高: 大倉290m-塔ノ岳1491m-丹沢山1567m-蛭ヶ岳1673m-檜洞丸1601m-西丹沢自然教室590m
トイレ: 大倉、塔ノ岳(尊仏山荘)、丹沢山(みやま山荘)、蛭ヶ岳(蛭ヶ岳山荘)、檜洞丸(青ヶ岳山荘) *要チップ
売店: 大倉、塔ノ岳(尊仏山荘)、丹沢山(みやま山荘)、蛭ヶ岳(蛭ヶ岳山荘)、青ヶ岳山荘(平日は休みな事も)
夏山ベストシーズン:4-5月、10月-11月
安全情報: 丹沢山~蛭ヶ岳に岩場が出て来るが鎖有り。蛭ヶ岳からミカゲ沢の頭への下りはかなり急でザレているためロープは一応着いているが注意が必要。





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