雪壁を登る
今回のGWは、北アルプス・明神岳東陵&前穂北尾根のダブル企画ということで上高地へ。金曜日の夜新宿を出た。気がつけばガタガタといういつも以上に激しい揺れを感じ目を覚ますとチェーンをつけて走っている。カーテンを明けると車窓は吹雪で雪が積もっている。
上高地バスターミナル
午後は稜線付近から天気が回復してくるということで、気が乗らないまま準備をする。
養殖場からひょうたん池取付。
宮下のコルからひょうたん池を目指していた時、”ボンっ”とアラジンが飛び出して来るかの様に斜面前方から雪煙の壁がみるみる近づいてくる!?
雪崩だ!!
雪煙のせいで雪崩本体がどう流れているのか見えないが雪崩だ。まだ、雪崩のリスクのある急な斜面に入る前なのにここで雪崩かという感じ。。幸い傾斜はなかったので手前で止まった。
セーフ!!いざ起きると何もできない。笑
新しく積もった70cmほどの雪が固く締まって氷のようになった雪面の上にふんわりと乗っかってる。
雪崩の教科書に出てきそうなくらいの状態。
photo by Matthieu LIENART
とりあえず、ひょうたん池手前の雪崩のリスクの高い斜面まで様子を伺いに行く事にする。
どうみても、いつ雪崩でもおかしくなさそう。でも、行けなくはない。しばらく、作戦会議をする。
話し合った結果、下山して3日目の予定の前穂高北尾根に転身することにを決定。下山して行くと、2パーティーほどぼくらが苦労してラッセルした道のりを登ってくる。状況を説明したが、明日は天候回復するので行くと言う。。
それを聞くと、下山を決めた事が尚更悔しくなってきて、しょうがない。でも、また、登り返すのもばかばかしい。笑
明神岳の山荘まで来ると、雪崩危険のため涸沢方面へは横尾から入山規制の看板。この時点で前穂高北尾根計画も頓挫。行き先を失った人たちがGW初日から足止めを食らい作戦会議している。ぼくらもココアを一杯頼み、作戦会議。
昭文社の地図を眺めていると、”K2”の文字を発見!!
帰りのバスは明後日なので行き先はどこでも良かった。とりあえず、K2行きますか!という軽いノリで行き先が決まった。K2は、霞沢岳の手前にある2つピークの一つだ。本日は徳本峠まで行く事にする。
徳本峠にテントを張る
明神山荘から二時間ほど沢沿いに登り峠へ。ViewPointから明神岳が美しい!!
明神岳 from徳本峠
美味いサラミとチーズとパウチワインで乾杯!翌朝に備える。
2日目
3時起床からの5時発予定だったが、目が覚めると5時半! とっくに予定時間を過ぎている。笑
7:30am
K2無酸素登頂目指して、いざ出発!!新雪は早朝出発したパーティーによってラッセルされている。
ジャンクションピーク。
K1ピーク。
長い。長い。長い。先攻パーティーに途中で追いつきラッセルを交代。以後、山頂までラッセルすることになる。泣
K1ピークの登りがこの霞沢岳の核心部になるだろうか。とにかく、新雪がたっぷり積もっているので時間かかる。
K2登頂!!
10:20am ついにK2頭超!!K1を登りきると、すぐ隣のピークがK2ピークだ。
200名山・霞沢岳山頂!!
いつの間にか風も穏やかになり、西穂高~ジャンダルム~奥穂高~前穂高~明神岳の大展望台だ!!
だれもいない静かな山頂を満喫。
K2の雪壁を登る!
帰路はK2をフリーソロで直登した。のんびり遊びながら帰る。
15:00 徳本峠のキャンプ地に戻り、他の宿泊客と乾杯!のんびりと夜が老けてゆく。。
3日目。
上高地へ下山して、アルペンホテルで日帰り入浴500円。帰りのバスが出発するまでのんびり過ごす。
残念ながら、目的の山行をひとつも出来ずに今回は下山となりましたが、縁あって無事にK2に無酸素で登頂することができました。笑 霞沢岳は予想以上に手応えがあり、しっかりとした歩きの体力が必要であり良い体力トレーニングとなりました。何よりも素晴らしいのは、穂高連峰の大展望!!奥穂高や槍が岳といった人気の山が集中エリアなので忘られがちですが、上高地から林道のアプローチが少なくこれだけの大展望を満喫でき誰もいない大自然を堪能できる。もし、ロープウェイなんぞあったらすごい人なんだろなあ。
こんなこともありますがGW前半、たっぷりと満喫することができました。
いろいろ情報提供をしてくださった方、ラッセルして頂いた方、最後まで読んで頂いた方、ありがとうございます!
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